活動記録

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2014年度会員年間業績リストを公開しました

2014年度会員年間業績リスト(2014年1月-12月)を公開しました。
 広い意味での西洋中世(古代末期-近世、イスラーム、ユダヤ、中東アジアなども含む)に関する刊行された業績をお知らせいただいたものです(氏名=五十音順)。
なお、リスト作成に際しては、会員の皆様にお手数いただきました。お礼申し上げます。

2014年度若手セミナー(2014年10月18日)参加記を掲載しました

 2014年度の若手セミナーは、2014年10月18日(土)に京都女子大学で開催されました。
 今回の若手セミナーは「西洋中世学で読み解く最後の晩餐」をテーマとして、美術史・哲学・文学・史学・音楽の各分野からそれぞれに「最後の晩餐」というモチーフとどのように向き合うかを改めて問い直し、その個性を紹介することを目的としました。中世器楽の演奏もあり、会場全体によるグループワークがディスカッションとともに行われて、総勢80名におよぶ参加者が報告者と一体となってセミナーをたのしむ様子がうかがえました。
 ここでは、参加いただきました大学院生ほかの方々による参加記を掲載いたします。

[参加記]


 今回「最後の晩餐」にまつわる5つの発表を聞かせていただいて、歴史的観点以外にも、音楽や文学といった多方面の分野から中世ヨーロッパについて学ぶことがきでました。まず、宮下氏の「最後の晩餐」と食の関連については、内容を踏まえた映像資料を多数提示していただき目で見て楽しめる発表でした。これまで「最後の晩餐」を目にしたとき、ユダによる裏切りに焦点を当てがちでしたが、これからは、西洋絵画における食事そのものの教訓的意味合いにも注目していきたいと思います。

 続く大貫氏による発表では、修道士たちが、規定においては12人という数を明確に記すことで新約聖書を模倣し、日々の生活では、パンやワインを食することで「最後の晩餐」への模倣を実践していたことを明らかにしていただきました。そこには「最後の晩餐」の多大なる影響力を感じ取ることができました。

 三番目の山口氏と辻内氏の発表では、「最後の晩餐」からパンとワインを引き合いにだし、その付帯性について、神学と哲学の間での論争を分かりやすく説明していただきました。哲学はなかなか普段触れられない分野なだけあって、実に新鮮に拝聴致しました。
また近藤氏による演奏会は、中世の音楽を生で聞くことができ、中世の人々の生活の一端に触れられた気がしてとても興味深かったです。特に、4曲目の「A aue avondou do vinno」は陽気で、私たちもとても楽しく参加させていただきました。

  そして小宮氏による発表については、今まで”円卓”と聞いて、単純に丸いテーブルをイメージしていましたが、それが世界や組織を象徴するなど、様々な解釈が存在することを知りました。「最後の晩餐」のテーブルもダヴィンチの描いた長方形のものを想像しがちですが、中世初期ではアーサー王と同じく丸いテーブルであり、そこに関連性があったとは思いませんでした。

 さらに今回、討論にも参加させていただき、これだけ多くの学問分野の研究を共有することができ、有意義な時間を過ごすことができました。

三谷真里奈・森本奏惠(京都女子大学大学院)


 2014年10月18日、京都女子大学にて「西洋中世学で読み解く『最後の晩餐』」と題する若手向けのセミナーが開催された。ここでは、その内容を簡単に紹介した上で、会場の雰囲気や個人的な感想を述べたい。

 本セミナーは、西洋中世を通じて重要な意味を保ち続けた「最後の晩餐」をテーマに、様々な分野の研究者がプレゼンを行い、参加者全体を巻き込んだ自由な議論を交わそうという意図で開かれたものである。プログラムは、6人の報告者がプレゼンテーション5本を行う前半と、各報告者が提示した「問い」を中心にフロア全体で質疑を行う後半に分かれていた。

 5本の報告が終了した後、後半の全体質疑に入った。質疑は、参加者が複数のグループに分かれて提示された「問い」について話し合った後、その内容を整理し、改めて報告者に見解をぶつけるという、いわばグループ・ディスカッションのような形式を採っていた。単純に参加者同士その場で意見交換ができるという点はもとより、「挙手して発言する程ではない些細な疑問や意見」をグループ内で気軽に話し合えるという所が、この討議形式の最大のメリットであるように感じた。時間目一杯まで話が尽きなかったことから、ほかの参加者もこの方式に肯定的な感想を抱いていたのではなかろうか。

 初期ビザンツ史を専攻する私は、専門外の領域である本セミナーのプレゼンを理解できるか少なからぬ不安を抱いていた。しかし、いずれの報告もシンプルかつ論点が明確で、私のような門外漢であってもしっかりと報告内容についていくことができた。結果として、本セミナーへの参加は私にとって非常に刺激的な体験となった。このような機会へお誘いいただいた大阪市立大学の草生久嗣先生と、運営に携わった実行委員の方々への感謝の言葉を以って、この参加記の結びとしたい。

渥美創(京都府立大学大学院)


以上です。次回以降の若手セミナーも、どうぞよろしくお願いいたします。

2013年度会員年間業績リストを公開しました

2013年度会員年間業績リスト(2013年1月-12月)を公開しました。
 広い意味での西洋中世(古代末期-近世、イスラーム、ユダヤ、中東アジアなども含む)に関する刊行された業績をお知らせいただいたものです(氏名=五十音順)。
なお、リスト作成に際しては、会員の皆様にお手数いただきました。お礼申し上げます。

2013年度若手セミナー(2013年10月19日)参加記を掲載しました

[参加記]


 日に日に秋の深まる10月19日、お茶の水女子大学で開催された西洋中世学会若手セミナーである元レスター文書館長マーガレット・ボニー博士による古文書セミナーに参加した。当日の参加者は学部生、院生や教員など30人ほどであった。

 セミナーはまず、古文書の基本についての簡単な講義が行われた。古文書解読の難しさは手書き文字の判読と多くの省略形にあるが、それはまるでジグソーパズルのようだと再三ボニー博士がおっしゃっていたのが印象的だった。また史料を理解する上でタイトルや最初の行がとても大事であること、史料の種類によって定型のフレーズがあるのでそれを押さえることで内容を理解しやすくなることなどを説明された。今回は事前にボニー博士の専門でもあるダラムの都市文書史料16点の画像が参加者に渡されていたが、続いて実際にその内の2つの史料を使って定型部分や人名などを読解する演習が行われた。

 その後ティーブレイクを挟んで残りの史料(一部割愛)についてボニー博士が指し示した人名や史料の一部分を参加者が読解する形で演習が行われた。今回使用の史料はラテン語であったが、中に1点英語のものがあり、これについてはかなりの部分の読解が行われた。

 今回ボニー博士は受講者に、まず史料の全体を眺めさせ、同じ単語を探させた。人名や基本的な省略形がそれにあたるが、これらを探すことで、史料ごとに異なるその史料の文字の癖を把握することが出来、特に私のような読解にまだ不慣れな者には、闇雲に頭から読もうとするよりも、読解を行う上で有効だと実感したので、今後ぜひ実践していきたい。

  ただ、今回ボニー博士は多くの史料をご用意くださったが、時間の関係上後半はかなりの早足で進み、私の至なさゆえに、文字の判読についていくのがぎりぎり精一杯であった。若手セミナーという趣旨からすると、あるいはもう少し数を絞った史料を前半のようにじっくり演習するという形でもよかったのではないかと少し残念に感じた。

 しかし全体として大変有意義で、今後私自身が古文書読解を行う上で役立つ古文書セミナーであった。

加藤はるか(お茶の水女子大学大学院)


 今回開催されたマーガレット・ボニー博士の古文書セミナーは、理学部3号館701室という比較的大人数向けの講義室で開催された。セミナーの進行自体は基本的にパワーポイントと手元のコピーを適宜見つつ、ボニー氏とともに史料内容を追っていくという講義形式に近いものだった。時折発せられる氏から参加者への問いかけには、各人が座ったまま口々に答えていくかたちだった。

 といっても、恥ずかしながら私は氏の英語を聞き取ることに必死だったため、その問いかけを考えるまでに至らないことが多かった。セミナーには通訳が一切なかったため、終始英語のみで行なわれる授業にほとんど参加したことのない私は、とりあえず氏が今史料のどの行のどこの単語の話をしているのかを探るので精一杯であった。しかし、有難いことにボニー氏は、一語一語を丁寧に分かりやすく紹介してくださったため、英語のみならず古文書に不慣れな私でも一部は解読出来たという達成感を味わうことが出来た。

 これまで論文や授業等でラテン語を読むことはあっても、それらはすべて活字書体に直されたものであった。そんな私にとって、実際に古文書に書かれたままの字体から読み解くという体験は、より史料と深く向き合えているという実感を得られた貴重なひとときとなった。一文字、一文字追っていくことで綴りの省略や微妙な字体の変化を発見していく面白さは活字では味わえなかった。中でも個人的に印象に残ったのは、自分が「読み難いな」と感じていた字体をボニー氏も「読み難い」と評していたところだった。当たり前のことかもしれないが、字体の読み易さ・難さの感覚は出身や経験等の差があってもある程度共通しているのだなと思った。

 セミナー後には懇親会が開かれ、僭越ながら私も参加させていただき、普段あまり交流のない学部生の方や他大学の英文学専攻の方とお話した。非常に充実した楽しい時間となり、これもまた得難い経験の一つとなった。

 正直今回のセミナーの内容は私の実力をはるかに上回るものであったが、新井先生が懇親会の際、「『とにかく分からなかった』と思うことも大切」と仰ってくださったことが大変励みになった。上記に挙げた経験も参加しなければ得られないことであったし、体当たりで挑んでみることの大切さ、そして、自分の実力不足を知るという意味でも、このセミナーに参加して良かったと思えた。

 ただ、一つだけ気になったのは教室の関係上、ボニー氏と参加者の距離が遠かったことであった。今後このようなセミナーを開催するならば、もっと狭く、講演者と参加者の目線が同じ席配置が可能な会場を選んだ方が良いのではと感じた。

磯部末利花(お茶の水女子大学大学院)


以上です。次回以降の若手セミナーも、どうぞよろしくお願いいたします。

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