このたび西洋中世学会第9回大会シンポジウム「映像化される中世」の成果をまとめた書籍が刊行されました。
図師宣忠編『映画で味わう中世ヨーロッパ──歴史と伝説が織りなす魅惑の世界』(ミネルヴァ書房、2024年12月)
これに合わせて、中世ヨーロッパ文化にまつわる書籍に力を入れておられる書泉グランデさんに本書の出版記念イベントを開催していただく運びとなりました。以下の通り、ご案内差し上げます。チケット代が必要なイベントで恐縮ですが、ご都合のつく方にはぜひご参集いただければ幸いです。
申込フォームは次のリンクから
https://www.shosen.co.jp/event/27800/
※当日参加券がございますので、会場に直接お越しください(1/23追記)。
【イベント案内】
開催日時 2025年1月26日(日)14:30~16:30(14:00開場)
チケット代金 1,500円+システム利用料330円(すべて税込)
場所 :芳林堂書店高田馬場店 8Fイベントスペース(場所はこちら)
※開催場所は「書泉グランデ」ではありません。ご注意ください。
◆トークセッション1:史実とフィクションのあわいを探る
…中世映画で描かれる「中世ヨーロッパ」は現実の中世ヨーロッパ世界とどのように異なるのか。美術・音楽・歴史の観点からアプローチします。
司会:図師宣忠(甲南大学)
スピーカー:金沢百枝(多摩美術大学)、藤崎衛(東京大学)、吉川文(東京学芸大学)
◆ 休憩(15分)
◆トークセッション2:剣と魔法とドラゴンの世界の描き方
…ロビン・フッド、アーサー王からホビットまで、中世映画の見どころと愉しみ方について語ります。
司会:松本涼(福井県立大学)
スピーカー:伊藤尽(信州大学)、岡田尚文(学習院大学他)、小路邦子(大東文化大学他)
※この他、本書にもご寄稿いただいた羊皮紙工房の八木健治さん、コストマリー事務局の繻 鳳花さんによるミニ展示も展開します。
【本書の紹介】
中世ヨーロッパを舞台やモチーフとした映画を「中世映画」medieval filmと呼びます。ジャンヌ・ダルク、ロビン・フッド、アーサー王をはじめ、中世ヨーロッパの歴史と伝説はこれまで数多くの映画の題材となってきました。また「中世映画」には「ホビット」や「ハリー・ポッター」などフィクション作品も含まれます。剣と甲冑、羊皮紙などのアイテムのみならず、魔法やドラゴンといった中世ヨーロッパのイマジネール(想像界)にまつわる要素も「中世映画」を彩っているのです。
そんな「中世映画」の見どころを探る本書は、西洋中世学会の大会シンポジウムから生まれたものです。歴史・文学・美術・音楽など、西洋中世学に関する様々な切り口から「中世映画」を読み解いています。映像化された「中世ヨーロッパ」と現実の中世ヨーロッパ世界にどのような異同があるのか。そもそも過去の世界を明らかにするにはどのような史料や手続きが必要となるのか。史実とフィクションの間に「中世ヨーロッパ」を探る試みの成果や如何に? 本書を入り口として「中世映画」の魅力に触れて、西洋中世学の奥深さを感じてもらえたら幸甚です。