概要
西洋中世学会とは
本学会は、日本における西洋中世研究(歴史、文学、哲学、美術、音楽など)を質量ともに進展させ、全国各地に散らばる研究者相互の交流を促すことを目標にして、2009年4月1日に設立されました。専門・テーマの近い研究者同士が議論できる場や機会を積極的に作る一方で、学会誌の特集や大会シンポジウムを通して学際的な研究を推進します。本学会が対象とする領域は、いわゆる「ヨーロッパ中世」にとどまらず、ビザンツ帝国やイスラーム世界をも含んでおり、古代末期から近世までを広い視野で考えてほしいと思っています。
さらに、大学院生および在野の研究者を本学会に積極的に受け入れることで、孤立した環境では成果を上げにくい教育が、大学の枠を越えて大きな実を結ぶことを期待しています。また、海外との交流の窓口になって、国外の第一線の研究者の招聘、講演会開催を容易にし、その来日の成果をより広い範囲の人々に還元すること、国内の研究者の国外の機関・団体との接触・交流を支援することも、本学会の大切な使命です。
なお、毎年6月開催予定の年次大会では、個別発表に加えて、魅力的なテーマでのシンポジウムを開いています。年1冊刊行される学会誌『西洋中世研究』には、特集論文、個別投稿論文、新刊紹介、年間業績紹介などを掲載しています。また、2018年には、国外研究者が半数を占めるEditorial Boardを有し、厳格なa double-blind review processを通過した英語論文が掲載されるオンライン英文ジャーナルSpicilegiumを発刊し、毎年1号ずつ刊行しています。
西洋中世学会設立の趣旨 |
沿革 |
組織 |
学会会則 |
運用規程
入会
西洋中世学会入会申込について
西洋中世に関心がある方なら、どなたでも会費を支払うことによって会員となることができます。中世ヨーロッパやビザンツ帝国の専門家だけではなく、ヨーロッパやビザンツとのかかわりに関心のあるイスラーム研究者、あるいは比較史の立場から「中世」に興味のある方まで、歴史・文学・哲学・美術・建築・音楽など、当学会はどんな分野の方にも開かれています。時代的にも古代末期から近世まで、いわゆる「中世」の前後の時代を専攻する方々も歓迎いたします。
会員になると、次のようなことができるようになります。
1. 学会誌の購読
2. 学会誌への投稿
3. 学会主催の大会、研究会、講演会やセミナーへの参加
4. 毎年6月開催予定の学会の大会での報告
5. そのほか、西洋中世に関する各種情報提供をうけること
年会費は正会員8,000円 学生会員4,000円 賛助会員25,000円です。会費を下記の振替口座に振り込み、西洋中世学会ホームページで入会登録をしてください。氏名確認と会費納入確認をもって入会されたものとします。学会ホームページで入会登録ができない場合は、申込書をダウンロードしご記入の上、事務局にお送りください。
HP: http://www.medievalstudies.jp/
English HP: http://www.medievalstudies.jp/admission-2/?lang=en
申し込み用紙を郵送する場合はこちらから
ゆうちょ銀行
振替口座 00150-6-262638
加入者 西洋中世学会
他の金融機関からの振込の場合
支店番号 〇一九(漢数字)
口座の種類 当座
口座番号 0262638
〈申込書送付先〉
〒101-8301
東京都千代田区神田駿河台1-1 明治大学文学部研究棟927号室
ヨーロッパ中世学情報センター内 西洋中世学会事務局
なお、今回、振り込んでいただく会費は2019年度(2019年4月1日から2020年3月31日まで)分に相当します。
原則として払込受領証をもって領収書とさせていただきますが、別に領収書を必要とされる場合には、事務局までお知らせください。どうぞよろしくお願いいたします。
#下記データは、本学会員名簿の作成に利用されます。名簿に公開してよいかどうか、可否を忘れずにチェックしていただきますよう、お願いします。
#下記の各項目にご入力いただき、「申し込む」ボタンを押して送信してください。
申請が受け付けられた場合、自動的にメールが登録されたメールアドレスに配信されます。
学会誌
学会誌『西洋中世研究』のご案内
学会誌『西洋中世研究』(2009年度創刊)では、会員の方から西洋中世に関するさまざまな学問分野の論文などの原稿を募集します。
投稿規定
(2009年7月5日作成/2010年9月18日修正/2014年6月21日修正/2016年9月26日修正)
- 投稿は会員に限ります。
- 以下の5種類の原稿を受け付けます。原稿は未公刊のものに限ります。
論文
研究動向
史料紹介
新刊紹介(最近出された和書以外についての紹介文を募集)
学会や研究会などの彙報
- 論文、研究動向、史料紹介は和文、横書き、脚注で、分量は400字×80枚(注、図版こみで32000字)以内とします。原稿には和文要旨(800字程度)を添付してください。要旨のない原稿は受理しません。論文の場合は、採択決定後、英文要旨(400words程度)をご提出ください。英語を母語としない投稿者については、提出前にネイティヴ・スピーカーによる英文要旨原稿のチェックを受けておいてください。
- 新刊紹介、学会や研究会などの彙報は、和文、横書き、脚注で、分量は原則1200~1600字とします。学会や研究会などの彙報は、和文、横書き、脚注で、分量は4000字程度とします。
- 二重投稿は認めません。
- 論文、研究動向、史料紹介については、原稿と和文要旨を前年度末(つまり3月末)までに、電子ファイルの形式で事務局(office.jsmesアットマークgmail.com)にメールでお送りいただくとともに、プリントアウトしたものをおなじく事務局宛てに郵送してください。審査委員会で査読を行なったのち、採否を通知いたします。
- 写真、図版、特殊文字により印刷経費が予算を超過した場合、その一部を負担していただくことがあります。
- 図版などの著作権の問題は、執筆者の自己責任でクリアしておいてください。
- 紙面の調整上、表記方法などの変更をお願いすることがあります。
- 掲載された原稿の著作権は学会に帰属しますので、あらかじめご了承ください。
どうぞふるってご応募ください。
なお「西洋中世研究」第4号から、巻末に寄贈図書リストのコーナーを設け、ごく簡単な説明文を付して紹介しています。広い意味で西洋中世に関係する御著書・訳書などを出版された皆様におかれましては、どうぞ事務局に御恵贈賜りたく、お願い申しあげます。
『西洋中世研究』の販売
「西洋中世研究」(バックナンバーを含む)を購入ご希望の方は、「知泉書館」までご連絡ください。会員以外の方もご購入いただけます。
知泉書館:
〒113-0033 東京都文京区本郷1-13-2
Tel : 03-3814-6161
Fax : 03-3814-6166
e-mail: info@chisen.co.jp
学会賞
「西洋中世学会賞」について
このたび西洋中世学会では、学会員による研究の奨励と西洋中世研究の更なる発展を目的として、西洋中世学会賞を創設することとなりました。本賞は、審査委員会による厳正な審査のもと、隔年で、原則として毎回1名の学会員に授与されます。選考対象となる業績は、過去2年間に学会誌である『西洋中世研究』及びSpicilegiumに発表された論文、並びに学会員の自薦・他薦により寄せられた、過去2年間に他の媒体に発表された論文です(推薦書のフォーマットはこちら)。2019年度大会で第1回目の授与を行う予定です(詳細については、表彰規定も併せてご参照ください)。
西洋中世学会賞 表彰規定
第1条
本賞は、学会員各位による研究を奨励し、西洋中世研究の更なる発展を促すことを目的とするものである。
第2条
本賞は、隔年で、原則として1名の学会員に授与される。
第3条
本賞は、過去2年間に『西洋中世研究』及びSpicilegiumに発表された論文を対象とする。また、会員の自薦・他薦により寄せられた、過去2年度(3月31日を年度末とする)の間に他の媒体に発表された論文も対象とする。
第4条
学会の事務局が選出し、常任委員会で承認された学会賞審査委員が審査を行う。
第5条
受賞者には賞状を授与し、その氏名及び論文名を学会誌並びにホームページ上で公開する。
第6条
表彰式は、学会賞授与の対象年度に開かれる西洋中世学会大会時に行う。
附則
本規定は、常任委員会の審議を経て、総会において変更することができる。
本規定は、2017年度西洋中世学会大会から施行される。
「西洋中世学会ポスター賞」について
このたび西洋中世学会では、会員各位の研究奨励を目的とし、ポスター報告が実施される大会において「西洋中世学会ポスター賞」を選定することとなりました。ポスター報告は、萌芽的なアイデアの披露やプロジェクトの紹介など多様な段階・性格の研究を披露する機会ですが、次回より賞にエントリーされた報告のなかから優れたものに「審査員賞」と「オーディエンス賞」を授与します。なお、エントリーなしでの報告も歓迎します。
〈審査員・審査方法〉
審査は2通りの方法で実施されます。「審査員賞」は、学会役職者などで構成される審査委員会が選出します(審査委員の氏名は大会終了後公表)。下記の審査基準をもとに、各審査員が記名のうえ、上位3報告に、1位:3点、2位:2点、3位1点を与え、合計点に基づいて賞を授与します。「オーディエンス賞」は、一般の聴衆が、やはり下記の審査基準のもと優れた報告2本に票を投じ(各票1点)、合計点に基づいて賞を授与します。
〈審査基準〉
(1)ポスターの質
字・図表が適度な大きさで見やすい
情報が多すぎず整理されている
ポスターだけで要点が理解できる
(2)研究の内容・質
内容が新規性・独創性に富む
方法が妥当である
議論の構成や結論が妥当である
(3)プレゼンテーション
説明が明解でわかりやすい
適度かつ充分な説明ができている
質問への応答が的確である
〈受賞件数〉
エントリーされたポスターの1/10程度とします。
〈審査結果の発表〉
大会閉会時に受賞者を発表し、賞状を授与します。また、学会ホームページ及び学会誌に、受賞者の氏名と所属、タイトルを公表します。
〈西洋中世学会ポスター賞 表彰規定〉
第1条
本賞は、学会員各位による多様な性格の研究を奨励するため、優れたポスター報告を顕彰するものである。
第2条
本賞は、ポスター報告が実施される大会において授与される。
第3条
本賞には、審査委員会が選出する審査員賞と聴衆が選出するオーディエンス賞が存在する。
第4条
本賞は、エントリーされた報告から、原則として10分の1程度に授与される。
第5条
審査員賞は、学会の事務局が選出し、常任委員会で承認された審査委員が選出する。
第6条
オーディエンス賞は、聴衆が投票により選出する。
第7条
受賞者には賞状を授与し、その氏名及び報告名を学会誌並びにホームページ上で公開する。
第8条
表彰式は、学会賞授与の対象年度に開かれる西洋中世学会大会時に行う。
附則
本規定は、常任委員会の審議を経て、総会において変更することができる。
本規定は、2017年度西洋中世学会大会から施行される。
第1回学会賞(第11回大会)
桑原夏子「トリエステ近郊ムッジャ・ヴェッキアの聖母晩年伝壁画──イタリアにおける聖母晩年伝図像生成初期の様相の再検討と終末思想との関わり」[『西洋中世研究』第8号(2016年)掲載論文]
受賞者からコメントをいただきました。
「本論文で扱ったムッジャの聖堂には、その後のイタリア各地の聖堂でさかんに描かれることになる聖母晩年伝の最も古い作例の一つが描かれています。しかし、本壁画は作者も制作経緯も不明であり、欠損部分も多く、美術の中心から離れた周縁の土地の作例であることから、その重要性は等閑視され、十分な研究に恵まれてきませんでした。研究史のメインストリームから逸脱した事象に光を当てて見えてくるものは、メインストリームの理解に対する新たな問いを導くものであり、それこそがさらなる知の開拓につながるものであると、今回の受賞で力強く励ましていただいたように思います。」
第2回ポスター賞(第11回大会)
審査員賞:北舘佳史「クレルヴォー修道院の死者記念」
オーディエンス賞:桑原夏子「ジョット作《聖母の埋葬》の図像と構図の波及力について」
受賞者のお二人からコメントをいただきました。
「この度は、このような素晴らしい賞を賜り、望外の喜びです。本発表の評価をして頂いた審査員の方々、また、ポスターをご覧頂き、ご意見を頂戴した多くの皆様に感謝申し上げます。西洋中世学会のポスター報告はいつも、多くの方々と交流し、研究の幅を広げ、可能性を探る大変貴重な機会となっております。今回の受賞を励みにして西洋中世研究の発展に少しでも貢献できるように一層の研鑽を積んで参りたいと思っております。」
(北舘佳史・審査員賞)
「本報告は、今年1月から3ヶ月間、オランダ大学機関美術史研究所(NIKI-Florence)の博士研究員として実施した研究成果の一部です。発表会場で他分野の研究者の方々を含め交わした対話によって、一つの学問領域の研究手法に縛られていては見えなかった切り口に気付くことができ、また他者の研究の中に自分の研究との繋がりを発見することもできました。対話に参加してくださった方々に心より御礼申し上げると同時に、オーディエンス賞に選んでいただいたことを心より嬉しく思います。」
(桑原夏子・オーディエンス賞)
第1回ポスター賞(第10回大会)
審査員賞:高橋香里「 中世後期ノルウェー祭壇画群から考察する西洋初期油彩技法の研究」
オーディエンス賞:岩永玲「 ヨークシャー北部における初期中世装飾石彫の生産 」
受賞者のお二人からコメントをいただきました。
「この度は素晴らしい賞を、第一回という記念すべき年に受賞できたことを大変嬉しく思っております。西洋中世の絵画技法・材料の一端を科学的手法で明らかにしていくことが私の研究目標ですが、ポスター発表を通じて、当時の商業や宗教など様々な視点からご意見を頂けたことは、今後の研究の幅を広げ、邁進していく大きな励みとなりました。本発表をご評価頂きました審査員の方々、ポスターをご覧頂きました皆様に、この場をお借りして感謝申し上げます。」
(高橋香里・審査員賞)
「この度は、身に余る賞を賜り大変光栄に存じます。この場をお借りして、本報告に目を通し多々のアドバイスをくださった西洋中世学会学会員の皆様、研究へのご支援・ご協力を賜ったヨークシャー各地の教会の皆様、公益財団法人髙梨学術奨励基金の皆様、所属研究室の皆様に、深謝申し上げます。本大会での学問分野や研究対象地域を超えた研究者の皆様との交流で得た知識を活用し、西洋中世研究の発展に微力ながら貢献できるよう研究に励んで参ります。」
(岩永玲・オーディエンス賞)
なお、審査員賞については、池上俊一審査委員長から以下のコメントをいただいています。
「2018年度西洋中世学会ポスター賞の「審査員賞」は、審査委員7名による慎重審議の結果、高橋香里「中世後期ノルウェー祭壇画群から考察する西洋初期油彩技法の研究」への授与が決まった。審査基準である「ポスターの質」「研究の内容・質」「プレゼンテーション」いずれにおいても優れていると判断された。とくに、限られた例ではあるが、油彩技法の特殊な用法についての新知見を明快な議論で分りやすく発表していた点が評価された。」
お問い合わせ
西洋中世学会に関する問い合わせは、このページ下部の問い合わせフォームをご利用ください。