西洋中世学会

Japan Society for Medieval European Studies


2016年2月15日(月)

英文電子ジャーナル『Spicilegium』の創刊について


 英文誌の発刊は、2009年4月1日に呱々の声をあげた西洋中世学会発足当初からの課題でした。しかし邦文雑誌『西洋中世研究』の刊行間もない頃であり、学会の財政的基盤も十分ではなかったこともあり、当面は中期的展望のなかの課題とされたわけですが、3年ほどが経過した時点で、英文誌刊行の財源の手当は別途考えることにして、とりあえず刊行のための検討をおこなうことで第7回常任委員会の議論がまとまり、私佐藤が座長に指名され、「西洋中世学会英誌ワーキング・グループ」が組織されました。メンバーは朝治啓三、高山博、松田隆美、山内志朗、小林宜子、金沢百枝の諸氏に佐藤を加えた7名です。このメンバーの構成は第8回常任委員会で承認されました。
 第1回の会議は2012年3月12日に神田、学士会館会議室で開催されました。この会議で、1)国際的に高く位置付けられる雑誌を目指すこと、2) 紙媒体ではなく電子出版の形式をとる、という2点の基本姿勢が決定されました。1)については、当面は会員密着型の、海外雑誌への投稿訓練のための雑誌という選択肢もありえましたが、ファースト・クラスの“leading journal”を目指すということで意見が一致しました。2)については予算の面もさることながら、世界の趨勢は電子媒体に移ってきており、雑誌の場合は書物に比較して、電子媒体のメリットが大きいことなどが理由です。
 その後やや時間をおいて2014年9月19日に第2回の会議が学士会館会議室で開催されました。この間に英文電子ジャーナル刊行を目的にする松木伸男氏からの100万円の寄付が寄せられ、議論は具体性を増しました。
 第3回会議が2015年2月11日に学士会館会議室で開かれ、1)論文審査と編集体制、2)電子化担当事業者選定、3)英文誌の名称などが議論されました。なおこの会から、菊地重仁氏に新たにワーキング・グループに加わってもらいました。その後2回の会議を経てワーキング・グループ案として、雑誌名を『Spicilegium』とすること、創刊号は2017年秋とすること、審査・編集委員は海外のメンバーを含め3年(3号)で「半舷上陸」の形式で交代すること、などが決められました。募集期間を考慮するならば、早急に実務的な検討に入る必要があるところから、現在のWGをそのまま「英文誌刊行準備ワーキング・グループ」として、引き続き刊行の準備に関する諸問題を検討することが決まりました。
 第1回英文誌刊行準備ワーキング・グループの会議は、2015年7月13日に学士会館会議室で開かれ、金沢百枝さんの紹介で新進気鋭のブック・デザイナー長田年伸氏をまじえて、デザインや運用の技術的な問題を検討しました。
 その後、2回の会議を経て、長田さんの試作品を検討し、細部についての技術的調整を行い、本年2月上旬に『Spicilegium: E-Journal of the Japan Society for Medieval European Studies』準備バージョンとして公開いたした次第です。

 会員の皆様のご投稿をお待ちいたしています。その折りには、ご原稿は事前にネイティヴチェックを御済ませ戴きますようお願いいたします。
また必要に応じて、審査・編集委員会のほうから会員の皆様にご投稿をお願いすることがあるかもしれませんが、その節は宜しくお願いいたします。

        

英文誌刊行準備ワーキング・グループ座長 佐藤彰一

          

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